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Cute Movies

私の頭の中の消しゴム

監督:イ・ジェハン

冷静に見ていられなかった、痛々しくてまともに見ていられなかった、今こうやって書いているだけでも涙がにじんできてしまう。
ラブストーリーと言うにはあまりにも悲しくはかなく、そして残酷な映画。
しかし深く結ばれた確固たる2人の愛の美しい物語なのです。

失意のどん底に陥って自暴自棄になって実家に戻るスンジ(ソン・イェジン)。
その途中偶然コンビニで一人の青年チョルス(チョン・ウソン)と出会う。
それから何ヶ月も過ぎ、スンジも暖かく迎えてくれた家族の元、社会復帰をする。
そして、赤い糸に結ばれた2人は仕事場でまた出会うのである。

惹かれ合った2人は結婚をし充たされた日々を送るのであったが、スンジは物忘れが激しくなる自分に不安を抱き始める。

医者を訪れたスンジに宣告されたのは「若年性アルツハイマー」
チョルスはどんなことがあってもスンジを介護し、一緒に生き続ける決心をし、2人の思い出の写真やメモをありとあらゆる場所に貼り付けるのだが・・・・・

愛する2人に待受けているものは、治る見込みのない病との戦い。
愛する人を忘れ、愛されたことも忘れていくことに怯え身体を震わせるスンジ。
ソン・イェジンの意識が正常になる瞬間、そして忘れてしまう時のうつろな顔、本当に素晴らしい演技だと感心してしまう。
正常に戻った後の言いようのない絶望感は見ている観客にやりきれない気持ちをもたらしてくる。

愛する人の記憶から自分の存在が忘れ去られていく悲しみ・・・・・治るみこみのない病魔との戦い。

夫である自分を昔の恋人と間違えて呼んでいるスンジに笑顔で応え、玄関を出たところで込み上げてくる涙を歯を食いしばってこらえようとしているチョルス。
チョン・ウソンの表情ひとつひとつが忘れられないほどの熱演!!
まさに韓国映画界を代表するカリスマ俳優と言われるだけあります!!

あらゆるシーンの中本当に揚げればきりがないほど2人の愛の深さ、そして強さが現されている。

私が一番泣けて泣けて仕方なかった、今も泣けて来るシーンの一つに、スンジが意識が正常な時にチョルスに宛てて書いた手紙。

「今の私が正常だから、この手紙の中のことが本当の気持ちだから、早く伝えないとまた分らなくなってしまう!」と焦る気持ちを抑えてチョルスにどれだけ自分が愛していたかをつづっている。
そしてそれを読みながら、一人泣き崩れるチョルス。
このシーンがもうたまらないほど愛しく、そして不憫で神様はこの世にいないのか?って恨みたくなるほどだった。

「四
月の雪」の主演でもあったソン・イェジンと韓国映画界にこの人あり!と評されるチョン・ウソンの共演に相応しい内容の映画であり、この2人が主演したから
こそまたこの映画に輝きが増した。愛することの心髄、極限の愛、そんな美しいものに触れることができた価値の高い映画だと思います。
text by...  七福神

2005/10/18